羽野医療・相続
コンサルタント事務所

相続・遺言について

お役立ち情報は、士業が行う場合の一般的な手続きを参考にお示ししたものです。

故人名義の預貯金や株式などはどうなるの?

預貯金については銀行などの金融機関、株式については証券会社や信託銀行などで名義変更することになります。
株式は故人名義のままでは売却など処分できなくなることにご注意ください。
また、金融機関などは名義変更の手続きは独自のものであることが多いので、複数の口座をお持ちの場合は手続きが複雑になります。

不動産の名義変更をしてない場合どうなるの?

以下のようなトラブルが考えられます。

  1. 故人名義の権利証が無効になります。
  2. 土地や建物などの処分が出来なくなります。
  3. 他の相続人が土地代、家賃などを要求できます。
  4. 赤の他人が所有権の一部を確保している場合があります。
  5. 借金のある相続人がいる場合には、不動産の一部を差し押さえられる可能性があります。
  6. 故人名義の固定資産税納入通知が来ることがあります。
  7. 火災保険やその他保険など名義更新で必要になります。

遺産相続に必要な書類はどんなもの? 自分で集めることができるのですか? 

相続人が自分で必要な書類を集め、ご自分で手続きをすることができます。
しかし、相続に必要な書類と手続きは多岐にわたり煩雑です。ご自分で銀行や法務局等に出向いて手続きをする必要があり、土日には行うことができません。また、金融機関ごとに独自の手続方法があるので口座のある金融機関と打合せが必要です。短くても預貯金の解約と名義変更に2~3か月を要するうえに、一度、手続きを間違うと後戻りができません。

【必要書類】

  1. 相続人の確定

    被相続人の「生まれてから現在までの戸籍」や相続人全員の戸籍を収集します。相続は「戸籍に始まり、戸籍に終わる」といわれるように、養子、認知された子の記載事項だけでなく、編製・戸籍の消除とその原因、旧法・現行戸籍とコンピューター化戸籍など、正確な相続人の確定に困難を伴います。行政書士等の専門家であれば、職務上請求書を使って円滑かつ確実に相続手続を完了することができますので、専門家に依頼することをお勧めします。

  2. 相続財産の調査
    (1)不動産:

    固定資産税評価証明書(納税通知書を基に不動産が所在する市町村に請求。請求書に「請求した土地・建物以外に被相続人の所有している不動産がある場合は当該固定資産税評価証明書も発行のこと」と明記)、登記済権利証(登記識別情報)、登記簿謄本(全部事項証明書)は行政書士が請求・取得します。

    (2)金融資産:

    ア)残高証明書、通帳、カード、金融機関からの通知書(「ダイレクトメール」「株の配当金計算書の通知書」等)

    (注)証券会社及び信託銀行の調査の際の必要書類:
    証券会社及び信託銀行において必要となるのは、一般的には下記の資料。

    1. 出生から現在までの戸籍謄本
    2. 委任状 ※実印にて押印
    3. 印鑑証明書 ※6か月以内と言われることが多いです。

    それ以外に、金融機関ごとに所定の用紙などが求められる場合もあります。こうした場合、個別に金融機関に確認する必要があります。

    イ)負債の調査(個人信用情報の開示請求):

    1. 被相続人の除籍謄本
    2. 相続人(請求者)の現在の戸籍+印鑑登録証明書
    3. 本人確認書類
    4. 信用機関所定の依頼書(HPで可能。依頼者本人ではないと取り寄せられないケースがあります。)

遺言書の書き方

1. 自分で遺言書を書くとき、気をつけて!

  1. すべて、自分で書いてください。→自筆証書遺言書保管制度では財産目録はパソコン、通帳のコピー添付でも良い。
  2. 録音、録画はできません。 →編集ができてしまうため。
  3. 封筒に入れて封印をしてください。
  4. 日付を必ず入れてください。
  5. 将来、相続人全員が裁判所へ集まります。(検認 といいます。)

2. 失敗した“遺言書”の例!

         遺言書
遺言者山田太郎は、次のとおり遺言する。 1.妻山田花子には、次の財産を与える。←相続させる  (1)自宅 ←家屋番号の記載がない                 普通   ←訂正文言がない  (2)ゆうちょ銀行長崎支店の定期預金 口座番号12345 残高526万円←残高は変動する 2.長男山田一郎には、次の財産をやる。←相続させる       株式とゴルフ会員権  ←どこの会社か不明       全て  ←訂正文言がない 3.その他ほとんどの財産は、次男二郎のものとする。←相続させる 令和4年10月吉日 ←特定できない    長崎市 〇〇町1丁目1番1号      遺言者 山田 太郎    ←押印がない

3. 遺言書の付言とは

法律上の効果はないが、円満な相続、もめない相続を実現するための事実上効果があり、大変有益です。遺言書は、残される家族に思いを伝える『最後の手紙』です。大切なのは、残す人の気持ちです。
「何を誰に残すのか」だけではなく、『なぜそのように遺すのか』『なぜ遺言書を残すのか』を伝えることが大切です。